令和3年度 第 1 次試験問題 経済学・経済政策 第四問 解答と解説

解答

 

5.

 

解説

令和4年度の以下の問題も参考にしましょう。

令和 4 年度 第 1 次試験問題 経済学・経済政策 第四問 解答と解説 - Nのビジネスブログ (hatenablog.com)

 

a 恒常所得仮説によれば、今期の消費は今期の所得によって決定される。従って、緊急事態宣言の発出によって飲食店の営業を停止しても、一時金の給付によって巣ごもり消費が喚起され、経済全体の消費は増加すると考えられる。

恒常所得仮説は、今じゃなく将来的に給料が増えそうなら消費を増やそう、変わらないなら減らそうというように将来的な想定が働くとしたものです。これは、今の所得についてのみ決定するよと言っているので、絶対所得仮説の話になります。よって、誤りです。

 

b 絶対所得仮説によれば、生涯の所得が生涯の消費を決定する。従って、一時金の給付が将来の増税を予想させるとしても、新しい生活様式への対応を通じて、経済全体の消費は増加すると考えられる。

絶対所得仮説はaのように、今の所得でのみ消費は決定されるという話ですので、これは違います。障害の所得で消費を決定するのはライフサイクル仮説です。よって誤りです。

 

c 低所得者ほど限界消費性向が高い傾向にあるとすれば、一時金の給付対象に所得制限を設けることは、より効果的に消費を支えると考えられる。

限界消費性向については以下を参考にしましょう。所得が1増えた場合の消費を増やす割合ですね。

令和 4 年度 第 1 次試験問題 経済学・経済政策 第五問 解答と解説 - Nのビジネスブログ (hatenablog.com)

低所得者ほど限界消費性向が高い傾向があるということは、逆に言うと、高所得者は限界消費性向が低い傾向があり、貯蓄等に回すことが予想されるということですね。

その場合、高所得者にばらまいても、効果は薄いため低所得者中心に実施するのが公開的であると言えるでしょう。よって正しいです。

d 不要不急の財に関する需要の所得弾力性が高い傾向にあるとすれば、一時金の給付が消費を増やす効果は、不要不急の消費ほど大きくなると考えられる。

所得弾力性は、所得が増えた時の需要の増加量です。まあ、つまりは消費にいくら回すかという話です。必須なものは、今あるお金で購入しているでしょうから、一時金の用途は、不要不急のものを購入しようという意思が働きます。よって、正しいです。

 

cやdとかは、知識問題というより、そうだろうなって感じで答える類のものになるので、本番だと選びにくい可能性もあります。普段から、こういった思考のトレーニングをしておくと、正解を選びやすくなっていきます。

 

正解は、5です。