令和3年度 第 1 次試験問題 経済学・経済政策 第二十一問 解答と解説

解答

 

2.

 

解説

 

消費の競合性と排除性についてです。これは公共財の性質を表すものです。

 

公共財 

公共財(こうきょうざい、英: public good)は、経済学の用語であり、非競合性あるいは非排除性の少なくとも一方を有する財として定義される。対語として、競合性と排除性とを有する私的財がある。

競合性とは、消費者(利用者)たちによるその財の消費が増えるにつれ、追加的な費用なしでは、次第に財の便益(質・量など)が保たれない性質を指す。

排除性とは、対価を支払わず財を消費しようとする行為を実際に排除可能な性質を指す。この場合市場では、価格付けされた財が対価の支払いを条件として販売される。

 

『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2022年3月22日 (火) 09:43 UTC

ja.wikipedia.org

 なかなか分かりにくいです。ひとつひとつかみ砕いていきましょう。

まずは、競合性っていうのは、その財の消費が増えるにつれ、追加的な費用なしでは、次第に財の便益(質・量など)が保たれない性質と定義されています。例えば、サンマや本マグロとか乱獲が世界的にされていき、これから何も追加政策していかないと、少なくなって、これまでと同等の量を確保できないとかですかね。そして逆に非競合性とは、それに非ずですので、消費が増えていっても、ずっと同等の質・量を提供することができますよってことですかね。バスとか鉄道とか、いやまあ、燃料高騰で値上げとかもあるかもしれませんが、基本的には追加の費用無しに、同じ質で提供してくれます。

次に、排除性です。これは、対価を払わないと、消費させないよっていう仕組みです。スポーツクラブで入会金を払って、会員になって初めて、その後のサービスを受けることができますが、そんな感じですかね。非排除性とは、そのような会員制のような条件なしに、消費をすることができるということですね。

そして、

公共財非競合性あるいは非排除性の少なくとも一方を有する財

私的財競合性と排除性とを有する私的財

 

問題へ進みましょう。

 

a マグロの漁場のような共有資源には、排除性はないが、競合性がある。

その通りですね。乱獲が進むと、数が減っていきます。

正しいです。

b 支払いにより加入をすることで消費ができるクラブ財には、排除性があるが、競合性はない。

これもその通りです。正しいです。

 

c 競合性と排除性を持ち合わせる財のことを公共財という。

違いますね。これは私的財です。よって、誤りです。

 

a 正、b 正、c 誤 となり、正解は、2となります。