令和3年度 第 1 次試験問題 経済学・経済政策 第二十問 解答と解説

解答

 

3.

 

解説

 

なんか、珍しくほのぼのとした問題ですね。しかし、日本語の解釈を誤ると間違えることができるエグイ問題です。

まず、2 部料金制というのが、実はちょっと重要で、これを読み飛ばすと、その後の問題が何が何やら分からなくなります。2部料金制とは、定額の基本料金と、その後の回数などに応じた変動的な料金を合わせた料金体系です。電気代とか電話料金とかまさにこれですね。今回の場合、定額料金って何だろうって思い浮かべたとき、入場料だろうなっていうのが想像できたら話は早いです。

 

さて、では次に、グラフを読み解きましょう。線が2つあります。ほのぼのとしたシチュエーションなので、少し違和感がありますが、右下がりな線が需要曲線であり、横に水平な直線が、限界費用曲線です。

 

まず、限界費用曲線が200円で水平というところに注目です。1 増やすのに必要な費用は常に200円ということですね。なので費用は、原点 - B が対角になるような長方形の部分が費用になります。

次に需要曲線です。切片700円。あれ、一度も載っていないのに700円ってどういうことになるのか?これが0回でも発生する値段、つまりは入場料を表します。

ここまでいけばあとひといき。A点とB点があります。A点の場合需要曲線は400円ですので、以下のように赤い三角形部分が、消費者余剰、青い四角形が生産者余剰、黒い部分は費用です。 

つぎにB店の場合、ありゃりゃ、青い生産者余剰が消えてしまいましたね。赤い部分が消費者余剰になります。つまり、10回以上も乗られると損してしまうことになります。

さて、問題文へいきましょう。

 

a 点 A において太郎さんが支払う費用は 1,200 円である。

違いますね。6 x 400 で、2400円になります。

b 点 A よりも点 B の方が、太郎さんの消費者余剰は大きい。

これはその通りですね。赤い三角形が大きくなっています。

c 入場料 700 円を支払った後に、点 A において太郎さんはこのアトラクションに 6 回乗る。

深読みすると、はまる問題です。単純に入場料700円払ってから、6回乗ると言っているだけで、入場料が存在するよねと言っているだけです。よって、正しいです。

けど、読み方によっては、6回乗らなきゃだめかな。いやむしろ、bの流れからいくと、最大の消費者余剰を目指して太郎さんは10回乗るんじゃね?とも考えてしまいます。ちょっと、問題の意図、何を考えさせようとしているのかが、読み取りにくい問題でした。

 

正解は、a誤、b正、c正で、3が正解です。