令和 4 年度 第 1 次試験問題 経営情報システム 第一問 解答と解説

解答

 

1.

 

解説

 

さて、無線LAN規格と、Bluetoothの規格についてです。

まずは、無線LANの規格を見ていきましょう。あまり、通信速度が問題になることは無いような気もしますが、一応、以下の通信速度の順番くらいはざっくりと覚えておきましょう。

 

 

それよりも重要なのは、周波数帯です。この辺りが狙われます。見て分かる通り、2種類に分かれていて、2.4GHzと、5GHz帯があり、それぞれ選べる周波数帯が、異なります。2種類選べるものもありますね。これらはそれぞれ特徴があります。

 

2.4GHzの場合、壁やドアなどの障害物に強く、距離があっても接続しやすい特長があります。しかし、電子レンジなど、同じ帯域の電波が多いため、電波干渉を興しやすく、その際、通信が不安定になってしまうという短所もあります。

対して、5GHz帯は、その逆で、電波干渉が少なく、安定的な通信速度が期待できます。しかし、その分、障害物には弱く、ドアや壁を挟むと通信が接続できない場合もあり、距離が離れた環境には不向きです。

 また、無線LAN規格では、同じ周波数に対する互換性があり、例えば、 IEEE802.11n に対応する機器は、IEEE802.11ac に対応する機器と接続が可能です。もちろんその時は、遅い方の通信速度になってしまいますが。

 

さて、まずそれでは、問題文aとbを見ていきましょう。

a 無線 LAN 規格 IEEE802.11n に対応する機器は、IEEE802.11ac に対応する機器と通信が可能である。

上記の通り、IEEE802.11n(5G帯)と、IEEE802.11acは互換性があると言えます。これは正しいですね。

b 無線 LAN 規格 IEEE802.11g に対応する機器は、 5 GHz 帯を利用するので電子レンジなどの家電製品から電波干渉を受ける。

電子レンジと電波干渉をするのは、2.4GHz帯でしたんね。5GHzは逆に干渉することなく、安定的な通信が見込めるのでした。これは誤りです。

 

次にBluetooth です。最近では、ワイヤレスイヤホン等、様々なBluetoothバイスが増えてきました。意外とIT系に関わる人でも、Wifiの規格は分かっていても、Bluetoothについて、そこまで知っている人は少ない気もします。逆にそれほど気にする必要なく使えるのが、Bluetoothです。

まず、先に周波数の話をすると、Bluetoothについては、2.4GHz帯のみを利用した規格になっています。Wifiのように5GHzを利用したりとかはしません。

そして重要なのが、周波数ホッピング方式を採用しています。いや、周波数ホッピング方式とは何ぞやということになりますが、これは、かなりややこしい仕組みなので、ここでは割愛します。ただ、2.4GHz 帯でありながら、他のデバイスに干渉されにくくするための手法と覚えておけばよいでしょう。Bluetoosthには、電波強度というClassの考え方があります。Classには3段階に分けられており、強度により、有効範囲が決まってきます。

  • Class1 : 100メートル程度
  • Class2 : 10メートル程度
  • Class3 : 1メートル程度

あと覚えておくこととして、Bluetoothでは最大で7台まで同時接続することが可能になっています。この機能をピコネットと呼びます。

さあ、ここまでの知識で問題の続きをみていきましょう。

 

 

c Bluetooth に対応する機器は、周波数ホッピング機能により電子レンジなどの家電製品からの電波干渉を軽減できる。

これは周波数ホッピング方式についてで、その通りですね。正しいです。

 

d Bluetooth に対応する機器は、 5 GHz 帯を利用するので電子レンジなどの家電製品から電波干渉を受ける。

これは、Wifiの規格の話で、Bluetoothでは、2.4GHz帯のみ利用します。誤りです。

 

e Bluetooth に対応する機器は、2.4 GHz 帯と 5 GHz 帯を切り替えて通信を行うことができるので、電子レンジなどの家電製品からの電波干渉を軽減できる。

dと同じです。誤りです。

 

以上より、aとcが正しいので、1が正解です。