令和4年度 第 1 次試験問題 経営法務 第一問 解答と解説

解答

 

1.

 

解説

下表は、取締役会設置会社における株式の併合と株式の分割との比較に関する事項をまとめたものである。空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 

株式併合株式分割についてです。どちらも重要用語なので、しっかり覚えておきましょう。

 

まず株式併合。以下、Wikiを読んでもらいたいですが、ざっくり言ってしまうと、10枚の株式を1枚にまとめますよ~って話ですね。併合した分だけ、1枚当たりの値段があがるので、必ずしも株主に不利なことが起こるわけではありませんが、例えば10枚の株式が1枚に併合されるとして、15枚持っていた人はどうなるでしょうか?1.5枚になってしまいます。このような1枚に満たない株式の処理は面倒になっており、通常の手続きでは売買できなくなることもあり、Wikiにもあるようにインターネット取引ができなかったり、保有数による権利を失効してしまったりする可能性が出てきます。そのため、株式併合を行う際には、株主総会特別決議が必要になってきます。

 

ちなみに、株主総会特別決議は、「議決権を行使可能な株主の議決権の過半数を定足数として、出席株主の議決権の3分の2以上により決議することができます。」ただし、「定款に別段の定めをすることで要件を変更することができるます。その場合でも、定足数は3分の1を下回る割合を設定することはできず、決議要件は3分の2以上の割合にのみ設定できます。

さて、そうまでして、株式を併合する目的とはなんでしょうか?そこには、いろんな目的があると思います。あまりにも1株あたりの価格が低い、定位株は、不安定な会社の場合が多く、少なからず株主への印象は良くありません。そのため、印象操作のために併合することもあります。また、コストカットです。1株単位が安く取引ができて、色んな株主が持っているような状況は管理コストが高くなっていきます。管理コストを抑えることにもなります。また、先述したように少額の株主の議決権を奪い追い出すことができます。このような手段を、スクイーズアウトと呼びます。

 

 

株式併合 

株式併合(かぶしきへいごう)とは、商法会社法上の法律用語。数個の株式を一つにまとめることをいう。

概要

会社法について以下では、条数のみ記載する。会社法上の180条から182条に基本的な規定がある。個々の株式の管理コストを低減したり、株式交換株式移転の準備作業としてなされるのが通常である。

かつては単位株制度が商法上の制度として存在し、将来一定の時期の株式の強制的な併合が予定されていたが、強制併合は実施されず単位株制度は廃止された(代わって導入されたのが単元株制度)。

対義語は株式分割である。株式分割は株主の持つ株式数を増加させる効果を持つが、株式併合は株主の持つ株式数を減少させる効果をもつ。

株式併合によって、単元未満株式や、1株に満たない株式(端株)が発生することがある。すると株主は売買の手続きが面倒になることや、権利の一部を失うことがある。例えば、インターネットを使った取引ができなくなったり、経営参加権が認められなくなったりする。これは株主にとって不利益となる。そのため、株式併合実施には株主総会の特別決議309条2項4号)が必要である。また、株主総会において取締役は併合を必要とする理由を説明しなければならない(180条4項)。

株券発行会社では、株券を提出しなければならない旨を公告し、かつ、株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。ただし、当該株式の全部について株券を発行していない場合は、この限りでない(219条)。

株式の併合による発行済株式総数の変更登記の添付書面は、株主総会議事録を添付し、株主に通知したことを証する書面は添付不要である。

 

「株式併合」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2020年9月7日 (月) 07:51 UTC、URL: 株式併合 - Wikipedia

 

続いて株式分割です。株式分割は、株式併合の逆で、1株を10株に分割します。株式分割の場合、株主が不利益を受けることはまずありません。手持ちの株券は増える方向に向かい、株式分割によって議決権を失うことはありませんし、面倒な手続きが発生することは少ないです。(ただ、1株を1.5株にするという場合もあるので、可能性が無くはない)会社側としては、併合の逆なので、管理コストが増えてしまう形になります

株式分割の目的は、多くは株価の安定化のためが多いでしょう。少数株主が多くの割合の株式を握っている状態は、少数株主の動向に影響を受けやすい状態になってしまい、安定的とは言えません。株式分割をすることにより、1株あたりの株価を落として、多くの株主に投資をしてもらうことにより、安定化をはかります。

株主への影響は低いため、「株主総会の特別決議(309条2項)までは法律上要求されず、取締役会設置会社においては、株主総会の通常決議すら不要で、取締役会の決議のみで分割が可能である(183条2項

 

株式分割 

株式分割(かぶしきぶんかつ)とは、資本金を変えないで1株を細かく分割すること(株式併合の対義語)。株式会社が発行する株式の流通量を増加させたいときなどに利用される。新株発行の一種である。

  • 会社法について以下では、条数のみ記載する。

沿革・歴史

以前は株式配当無償交付無償増資とも呼ばれており、商法上も株式分割と株式配当、無償交付は個別に規定が存在していたが、1991年の商法改正で株式分割に統一された。これは、「株主の所有する株式が分割により増加すること」と「株主に対し持株数に応じて一定割合の株式を無償に交付すること」が新株を発行するという点においては法的には同一の事象であるからと説明される。なお、2005年に成立、公布された新会社法では、185条で新たに株式無償割当てという概念が登場している。これは、種類株式が制度化されたのに伴い、異種の株式の交付を、従来の株式分割の概念でとらえることが困難になったためである。

概要

従来の株数を1とした比率で表され、例えば「1:3」の場合、1株に対して2株が無償で、基準日183条2項1号)に株主名簿に記載された株主に対し配られることになる。持株数は3倍になるが、(理論的には)株価は1/3になるので、資産の総額(時価総額)自体は変わらず、またすべての株主の持株数が均等に増加するので持分比率の変動もない。

よって、日本法においては、株式併合(180条2項)の場合と異なり、株主総会の特別決議(309条2項)までは法律上要求されず、取締役会設置会社においては、株主総会の通常決議すら不要で、取締役会の決議のみで分割が可能である(183条2項)。

株式分割が行われると、現に二以上の種類の株式を発行していなければ、発行可能株式総数を増加する定款の変更は、株主総会を経ることなく出来る(184条2項)。

実際の例では、1:1.1(かつての言い方でいう1割無償)などの形が多い。分割によって発生した単元株式数未満の株式については、会社への買取を請求することができる(株式買取請求権192条1項)。

 

「株式分割」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2022年3月16日 (水) 09:44 UTC、URL: 株式分割 - Wikipedia

 

さて、それでは、問題を見ていきましょう。

以下の表のA~Dを埋めるわけですね。

A:併合なので、10枚が1枚になる方向でしたね。よって所有株式数は減ります。

B:分割なので、1枚が10枚になる方向です。よって、所有株式数は増えます。

C:資本金額は、これは併合する場合も分割する場合も、変動ありませんね。

D:併合の場合は、株主への影響があるため、株主総会の特別決議が必要でしたね。

 

以上より、解答は、1となります。