令和4年度 第1次試験問題 運営管理(オペレーション・マネジメント) 第十一問 解答と解説

解答

 

4.

 

解説

 

QC 7 つ道具と新 QC 7 つ道具に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

QC 7 つ道具についてです。これは、もうめちゃくちゃ頻出で、中小企業診断士試験を受けていなくとも、聞いたことがあるかもしれませんね。

ところで、じゃあQCってなんの略称か分かりますか?Quality Controlつまり、品質管理の略称ですね。問題にもありますが、新QC7つ道具なんてのもありますが、やっぱりオリジナルのQC7つ道具が有名です。ちょっとWikiを見ていきましょうか。

 

QC七つ道具 

QC七つ道具(QCななつどうぐ)とは、品質管理(Quality Control)において、パレート図特性要因図ヒストグラムグラフチェックシート散布図管理図の7つの手法を組み合わせた分析手法。通称、Q7

本項ではQC七つ道具のほか、新QC七つ道具、商品企画七つ道具、戦略立案七つ道具についても述べる。QC七つ道具など七つ道具という組み合わせを用いる手法は日本で考えられた手法である(ただし個々の手法には日本国外で考え出されたものもある)

QC七つ道具

概観

QC七つ道具は、パレート図、特性要因図、グラフ、管理図、チェックシート、ヒストグラム、散布図の7つの手法を組み合わせた分析手法で、主に数値データの解析に用いられる。これらは問題を発見するツール(グラフ、管理図)、問題の原因を把握するツール(パレート図、ヒストグラム、特性要因図)、対策後に問題が解消したことを確認するツール(グラフ、散布図、管理図)の3つに対応している。QC七つ道具の作成手順等は「JIS Q 9024:2003 マネジメントシステムのパフォーマンス改善-継続的改善の手順及び技法の指針」にJIS化された

  1. パレート図
    不良・欠点・クレームなど現象別に層別してデータを取って、特性値の多い順に並べて重要な不良や問題点を見つけ出す
  2. 特性要因図
    原因と結果の関係を整理して問題の原因を把握する
  3. グラフ
    2つ以上のデータの相関関係を表すことで全体を把握しデータの比較をわかりやすくする
  4. 管理図
    自然のばらつきと異常原因によるばらつきを区別して工程が安定しているかをみる
  5. チェックシート
    データの記録・集計・整理を容易にし、データの分類や項目別の分布、出現状況を把握する
  6. ヒストグラム
    データのバラつきと度数を把握し、データを区間分けすることで工程のばらつきをみる
  7. 散布図
    2つのデータの関係性や特性をみる

 

新QC七つ道具

新QC七つ道具はアイデアや知識・経験など主に言語データを図的に表現するもので、親和図法、連関図法、系統図法、マトリックス図法、マトリックスデータ解析法、アローダイヤグラム法、PDPC法をいう。QC七つ道具とともに作成手順等が「JIS Q 9024:2003 マネジメントシステムのパフォーマンス改善-継続的改善の手順及び技法の指針」にJIS化された

「QC七つ道具」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2022年12月11日 (日) 04:52 UTC、URL: QC七つ道具 - Wikipedia

 

オリジナルのQC七つ道具は、分析が主な目的でしたけど、新QC七つ道具は、「アイデアや知識・経験など主に言語データを図的に表現するもの」ということで、アップデートされたものというよりは、目的が変わっています。

 さて、それでは問題文を見ていきましょう。

 

1.管理図は、時系列データをヒストグラムで表した図である。

Wikiによると、「自然のばらつきと異常原因によるばらつきを区別して工程が安定しているかをみる。」、これらは主に、累積和管理図やシュハート管理図により表されます。難しい名前の図ですが、これらは、いってみれば、折れ線グラフです。

ヒストグラムは、棒グラフの形ですよね。これは全く異なります。よって、誤りです。

 

2.散布図は、不具合を原因別に集計し、件数が多い順に並べた図である。

 散布図とは「2つのデータの関係性や特性をみる。」というもので、以下のようなものですね。まあ、全部ランダムに出したものなので、2つのデータに関係性は全く無いものですが・・・。件数が多い順に並べた図といえば、パレート図でしょう。よって、誤りです。

 

3.特性要因図は、原因と結果、目的と手段などが複雑に絡み合った問題の因果関係を表した図である。

特性要因図は、「原因と結果の関係を整理して問題の原因を把握する。」ものです。図の形状から、魚の骨図とも呼ばれます。因果関係を表すものではなく、原因を把握するものですので、これは誤りです。

 

特性要因図 

特性要因図(とくせいよういんず)は、1956年に石川馨が考案した、特性と要因の関係を系統的に線で結んで(樹状に)表したをいう。魚の骨図フィッシュボーン・チャート、fishbone diagram)、Ishikawa diagramとも呼ばれる[2]

  • 特性 (effect) - 管理の成績・成果として得るべき指標(不良率・在庫金額など)
  • 要因 (factor) - 特性に影響する(と思われる)管理事項
  • 原因 (cause) - トラブルなど特定の結果に関与した要因

原因とは、多くの場合に、適切な管理を欠いたためにトラブルを引き起こした要因を指す。また、原因と理由 (reason) との違いは、前者が客観的な因果関係であるのに対し、後者は判断・行為の根拠を指すことである(例:「Aが原因となって結果Bが発生した」との判断の理由はCである)。 

特性要因図の一例。

「特性要因図」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2022年12月12日 (月) 02:15 UTC、URL: 特性要因図 - Wikipedia

 

そして、問題文にある「原因と結果、目的と手段などが複雑に絡み合った問題の因果関係を表した図」は、新QC7つ道具のひとつの連関図です。

いきなり、新QC七つ道具が出てきてしまったので、難しい判断になったかもしれませんが、飛ばしてしまっても良いかもしれません。 

 

4.パレート図は、項目別に層別して出現頻度の高い順に並べるとともに、累積和を表した図である。

 パレート図は、「不良・欠点・クレームなど現象別に層別してデータを取って、特性値の多い順に並べて重要な不良や問題点を見つけ出す。」これは、まさに説明の通りですね。図としては、以下のようなものになります。

パレート図 

パレート図(パレートず)とは、値が降順にプロットされた棒グラフとその累積構成比を表す折れ線グラフを組み合わせた複合グラフである。ヴィルフレド・パレートに因んで名付けられた。ジョセフ・M・ジュラン石川馨武蔵工業大学(現東京都市大学)元学長)によって品質保証の分野で広められた。

パレート図

パレート図はQCの7つの基本的な道具の一つである。7つの道具には、ヒストグラム、パレート図、チェック・シート管理図特性要因図グラフ散布図を含む。

典型的なパレート図では、左側の縦軸は発生頻度を表すが、コストやその他の重要な測定単位を表すこともある。右側の縦軸は全体の発生件数、総コスト、特定の全測定単位に占める累積構成比を表す。目的は(しばしば多くの)要因の中から最も重要なものを浮き彫りにすることにある。品質管理においては、パレート図はしばしば、欠陥の最も一般的な原因、最も起こりやすい欠陥の種類、顧客の苦情のうち最も頻度の高い理由などを表す。品質管理で用いられるほか、類似したABC分析在庫管理等でも用いられる。

「パレート図」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2021年6月13日 (日) 05:00 UTC、URL: パレート図 - Wikipedia

 よって、これが正解です。

 

5.連関図は、原因と結果の関係を魚の骨のように表した図である。

連関図は、以下のように様々な要因を書き出し、関係性を整理して、本当の要因を分析し、それらの真の問題・課題を導き出します。魚の骨図を使うのは特性要因図ですね。よって、誤りです。

 

 

以上より、解答は4です。