令和4年度 第1次試験問題 運営管理(オペレーション・マネジメント) 第七問 解答と解説

解答

 

2.

 

解説

 

下表は、あるプロジェクト業務を構成する各作業の要件を示している。CPM(Critical Path Method)を適用して、現状のプロジェクト完了までの最短時間を明らかにした上で、その最短時間を 1 時間短くするために必要な最小費用として、最も適切なものを下記の解答群から選べ(単位:万円)。

クリティカルパスメソッド(クリティカルパス法)に関する計算問題です。頻出問題ですね。これはすんなり解いていきたい問題です。

 

クリティカルパス法 

クリティカルパス法(クリティカルパスほう、critical path method, CPM)またはクリティカルパス分析(クリティカルパスぶんせき、critical path analysis)は、プロジェクトの一連の活動(アクティビティ)をスケジューリングするための数学的アルゴリズムである。効率的プロジェクトマネジメントのための重要なツールである。

基本的技法

CPMを使う際の基本的テクニックは、以下を含むプロジェクトのモデルを構築することである。

  1. プロジェクトを完了させるまでに必要な全ての活動の一覧
  2. 各活動にかかる時間
  3. 活動間の依存関係

これらの値を使い、CPMによってプロジェクト完了までにかかる最長の経路(依存関係のある一連の活動の連なり)を計算し、プロジェクト完了を延期せずにそれぞれの活動をスケジュールした場合の開始と終了の最も早い時期と最も遅い時期を求める。これによって、どの活動が「クリティカル」(すなわち、最長経路上にある)かを決め、どの活動に「トータルフロート」(すなわち、プロジェクトを遅延させずに活動開始を遅延できること)があるかを決める。プロジェクトマネジメントにおいてクリティカルパス(経路)とは、必要な時間を積算したときに最長となる一連の活動を意味する。これによって、プロジェクト完了までにかかる最短時間を決定できる。クリティカルパス上の活動に遅延が生じると、プロジェクト完了予定日に直接的な影響が生じる。すなわち、クリティカルパスにはフロート(余裕時間)が全くない。1つのプロジェクトに複数の並行するクリティカルパスが存在することもある。クリティカルパスと並行していてフロートのある経路は、準クリティカルパス、または非クリティカルパスと呼ぶ。

これらの結果により管理者は活動を優先順位付けでき、プロジェクトの管理を効率化できる。そして、活動群をさらに並行に実施できるようにしたり(ファストトラッキング)、クリティカルパスにさらにリソースを投入して期間を短縮させたりすることで、プロジェクト全体をより早期に完了させることもできる。

「クリティカルパス法」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2022年12月24日 (土) 07:01 UTC、URL: クリティカルパス法 - Wikipedia

 

単純に言うと、すべてのタスクを洗い出し、それらの依存関係をつなぎ合わせて、そのパスを分析し、納期に影響を与えるものから優先付けをしていき、もっとも優先度が高いもの、すなわち、納期に直結するものがクリティカルパスとなる。逆に、このクリティカルパスを短くしなければ、納期は短くなっていかないということです。

 

さて、作業表がすでに記載されていますので、それをベースに依存関係をPERT図を用いて表してみます。

 

さて、ここでクリティカルパスは、AFGであることが分かります。ここを1時間短くすれば、納期が短くなりそうです。AとBが出発点になりそうですので、①からAとBを伸ばしてあげます。あとは、依存関係を表現していけば、難なくPERT図を作成できるでしょう。

 

さて、PERT図がかけたら、クリティカルパスを考えてみます。ルートの工程における作業時間を足してあげて、最大のつながりがクリティカルパスになります。今回は、A -> F -> G になりそうです。短くすべきは、AかFかGです。その中で一番最小コストで、短くできるのはAの20万円です。

 


よって、解答は2です。