令和4年度 第 1 次試験問題 企業経営理論 第二十七問 解答と解説

解答

 

3.

 

解説

 

いきなり問題の趣向が変わって、消費者行動における準拠集団、と言われると頭が追い付かず、試験中眠たくなる。いやいや、そんなことを言っていてはいけない。準拠集団は、そこそこ出てきている用語な気がします。まずは、Wikiを見てみましょう。

準拠集団 

準拠集団 (reference group) は、人の価値観、信念、態度、行動などに強い影響を与える集団を意味する、社会学社会心理学の用語。家族地域学校職場など。構成員に対して、「かくあるべき」との規範を科すのが特徴。ただし、準拠集団となるのは、必ずしも当人が所属する集団とは限らない。人の後天的欲求は、モデルとなる他者によって形成される部分が大きい。

概要

人間は、常に自分一人だけで思考や判断を行うわけでは無く、自分の周囲の他者を基準にしてそれらを行っている。準拠集団とは、自分の意識や態度を決定する際に基準とする集団のことである。 例えばあるブランド品を「みんなが持っているから」欲しいといった場合、その「みんな」は準拠集団である。この「みんな」は人間全てを意味するのではなく、自分が所属する特定の集団の事である。

ロバート・キング・マートンは準拠集団には「規範型」と「比較型」の2つのタイプがあると論じた。規範型準拠集団は個人に対して意見や振る舞いのヒントなどを与える集団であり、比較型準拠集団とは自分や他人を評価する基準の枠組みを与える集団である。また、準拠集団には所属集団、非所属集団、年齢・性別・既婚者など集団とも言えない社会的カテゴリーが含まれ、自分が所属する集団が準拠集団となり易いものの、所属していない集団も準拠集団となり得るという。また、社会組織内の人間は役割と地位がセットと認識され、準拠集団行動では地位に応じた役割が期待されると述べた。

準拠集団論の発展

準拠集団の概念は社会心理学から始まった。社会心理学者ハーバート・H・ハイマンは『地位の心理学』(1942年)において、それまで、一般的に客観的事実によって行われると考えられていた地位の評価は、実際には評価する人の友人知人といった身近な集団との個人的な主観による比較によって左右されていることを明らかにした。ハイマンは地位評価の基準となる小集団を準拠集団と呼んだ。ムザファー・シェリフ英語版は光点自動運動効果実験によって、人間はが判断を行うとき、集団の中にいる状況では他人の影響を受けることを明らかにし、自分の判断を関連付ける集団は所属集団に限らない事実を提示した。また、セオドア・ニューカムは、一つの判断に対して基準となり得る複数の集団があった場合に、優先的に選択される準拠集団を積極的準拠集団と呼んだ。

三つの用法

アメリカの社会学者であるタモツ・シブタニによれば、「準拠集団」の用いられ方には、以下の三つのタイプがある[2]

  • まず第1に、個人が、ある特定の社会において自らが占めている地位を評価する際に参照(refer)する集団だ、とする用い方がある。
  • 第2に、個人が、仲間入りしたいと切に願う、そこで承認されたいという欲求を強く抱く集団のことである、とする用い方がある。
  • そして第3に、個人が、自分の身のまわりの状況を認知する際に、その認知のための枠組みをそこから獲得しようとする集団を指すものとして用いられている、とする見解がある。

 

「直接原価計算」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2022年3月22日 (火) 09:43 UTC、URL: 準拠集団 - Wikipedia

 

とにかく、人に対して影響を与える集団のことであるようだと。必ずしも当人がその時に属している集団である必要は無い。

 

1.準拠集団とは、消費者の評価や願望、行動に重要な影響を及ぼす実在または想像上の集団を指す。実在する特定の個人から受ける影響は、準拠集団による影響には含まれない。

実在か想像上かっていうのは、Wikiを読んでも実在しなければいけないとかっていうのは、よくわからなかったです。他の教材などを読む限り、実在する集団を示すようです。準拠集団は、現時点で所属している家族・友人・学校など、そういった分かりやすい集団だけというわけではなく、過去に所属していた塾など記憶の中にあるものや、あるいは所属はしていないけど、憧れのようなジャニーズとか?の集団、そして、そもそも集団ではなく、特定の人とのつながりから受ける影響もそこには含められる。

よって、この選択肢は誤りとなる。明確に知らなければ、なかなか判断しにくいので、スルーでもいいかもしれない。

 

2.準拠集団は、実際の知り合いから構成される集団と、自らが所属していないが憧れを抱いている集団とに分類することができる。前者は所属集団、後者は理想集団と呼ばれる。

Wikiが示すように、「準拠集団には所属集団、非所属集団、年齢・性別・既婚者など集団とも言えない社会的カテゴリー」所属集団に対する、所属していない集団は、単純に非所属集団と分類されます。よって、誤りです。が、これもかなり厳しい。

非所属集団には、さらに、その集団に憧れがある、入りたいというような願望を持った集団と、そういう風にはなりたくないという拒否集団に分類されると言います。余裕があれば、この集団の分類も覚えておきましょう。

 

3.消費者が準拠集団から受ける影響の 1 つに、行動や価値観の伝播がある。これは、準拠集団に属する人々と似た行動をとったり、同じブランドを購入したりすることなどを指し、価値表出的影響と呼ばれる。

集団から行動や価値観の影響を受けるとは、まさに準拠集団の定義そのもののひとつです。友人と同じブランドを購入する、アイドルを真似る、よくありますね。ただ、やや、価値表出的影響と呼ばれるが、良いのか悪いのかが判断しにくいです。この問題は、結構厳しいですが、これが正解です。価値表出的影響については、準拠集団の定義にはよく出てくる用語でもあるので、できれば覚えておきましょう。

消費者は、準拠集団から情報的影響、功利的影響、価値表出的影響の3つを受けると言われます。これらを覚えておきましょう。

情報的影響
情報獲得に関する影響。若者はスマホを使ったtwitterとか。

功利的影響
その行動により、集団の上司などの期待に応えて、良い評価を受けようとすること。

価値表出的影響

自己と集団を結びつけるために、集団から受ける影響。

 

4.消費者が準拠集団から受ける影響の 1 つに、情緒の伝播がある。これは、準拠集団に属する人々の感情に共感することによる影響であり、功利的影響と呼ばれる。

 功利的影響は、集団からの評価のための行動であるので、誤りである。

 

以上より、答えは3です。