令和 4 年度 第 1 次試験問題 企業経営理論 第十二問 解答と解説

解答

 

3.

 

解説

ISOは覚えるべきものがいくつもあります。それぞれ番号という無機質なものと併せて覚えないといけないのが、非常に辛いですよね。こういったものも、問題を通して少しずつ、ひとつずつ学んでいきましょう。

とはいえ、その中でもISO26000は、昨今、ホットと言って過言ではないでしょう。まず、ISO26000は何か見ていきましょう。

ISO26000は、問題文にも書いていますが、社会的責任(CSR)の国際規格になります。背景を言っていくと、1980年台から、大手企業は海外に乗り出すようになってきて、グローバルな時代が幕を開けていきました。それにともない、企業の世界標準的な責任が問われるようになってきて、世界的なある一定の基準を設けようという声が強くでてきました。それによりだいたい2000年くらいから、ISOは規格の検討を始めて、いよいよ2010年にそれが広報される運びになりました。

重要な特徴としては、組織の規模、または業種や会社形態など問わず利用することが可能である点です。もちろん、社会責任に対して、規模や業種なんて関係あるはずもなく、ここで定義した社会責任に対して、組織はどのように行動していかなければいけないかの手引きとして、どのような組織も当てはめて利用することができます。

 

より気になる人は、以下とか参照ください。

https://iso26000sgn.org/iso-26000/about-iso26000/

 

さて、ISO26000の中身まで、しっかり理解するまで解説していくと、あまりにも膨大になりすぎるので、問題を通して学習していきましょう。

 

1.ISO 独自の規格であり、日本産業規格(JIS)には対応する規格が存在しない

JISでは、JIS26000という規格がすでに2012年に制定されています。よって、これは誤りです。JIS規格は基本的に、ISOを日本語訳したものであり、後ろの番号は対応する同じ番号が割り付けられます。この翻訳を担当しているのが、JISC(日本産業標準調査会)であることくらいは覚えておくと良いかもしれません。

 

2.環境マネジメントの規格である ISO14000 のように、マネジメント・システムに関する認証規格である

ISO14000も重要な規格でありますが、ISO26000は社会責任に関する規格であり、誤りです。

 

3.業種を問わず利用できるガイダンス規格である

説明にもあるように、規模や業種を問わず利用できる手引きです。その通りです。

 

4.その特性から、売上高 10 億米ドル以上の企業に限定して適用される

規模も問いません。誤りです。

 

5.その特性から、株式会社に限って適用される

形態にもとらわれません。誤りです。

 

よって、3が答えとなります。

 

 

より、ISO26000の内容が知りたい方は、日本語訳の書籍が出ていますのでご参考ください。